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あきこ先生のおしゃべりコラム
コラム第1回 【お家でいたずら増えてませんか?】 |
コラム第2回 【犬の声(気持ち)に耳を傾けてみよう】 |
コラム第3回 |
コラム第4回 |
コラム第5回 【年齢と関わり方】 |
コラム第6回 【お家で健康チェックをしよう!】 |
コラム第7回 【お家で健康チェックをしよう!②】 |
コラム第8回 |
コラム第9回 |
コラム第10回 |
コラム第11回 【投薬実践編②】 |
コラム第12回 【おやつ】 |
コラム最終回 【狂犬病】 |
コラム最終回
【狂犬病について】
最近ニュースにも取り上げられた“狂犬病”
ワンちゃんを迎えると、まずは動物病院で混合ワクチンなどの予防がスタートしますが、
狂犬病ワクチンもなんとなく必要と言われ、接種されていることと思います。
意外と知られていない狂犬病について少しお話したいと思います。
- 狂犬病って何?
狂犬病は、人畜共通感染症と言って、犬と人だけでなく、すべての哺乳類に感染するとても怖い病気です。一度感染し、発症するとほぼ100%助からない為、ワクチンによる予防が日本では義務化しています。狂犬病は、哺乳類の唾液にウィルスが含まれている為、噛まれた傷口から感染します。
今でも海外のほとんどの国で発生しており、WHO(世界保健機構)によると年間5万5000人が亡くなっているそうです。
特にアジアでは多くの感染が認められるそうです。
私は、約1年前にタイに1ヶ月居た経験がありますが、野良犬には絶対に近づくなと言われていました。タイの野良犬は、吠えもせず、道でリラックスして寝ていたり、とても穏やかに見えますが、予防をしていない為感染している可能性があるそうです。
現在、日本国内での感染は見られませんが、昨日のニュースでは他国で感染した人が、日本に来て発症したという事でしたね。
人でなかったとしても、動物の輸入により狂犬病ウィルスを保有した動物が日本に入ってきてしまう事は、可能性としてゼロではないという事です。
2.ワクチンについて
1の事から、日本では、狂犬病予防法で愛犬に狂犬病ワクチンを接種する事は義務とされています。
生後91日以降(約3ヵ月)のワンちゃんは、接種する事が出来ます。
動物病院では、混合ワクチンを優先し、狂犬病ワクチンを最後に打つ事を推奨する病院もあれば、幼少期は、お散歩デビュー等の時期を考慮し、2回目と3回目の混合ワクチンの間で狂犬病ワクチン接種を薦める病院もあるでしょう。
混合ワクチンも狂犬病ワクチンもワクチンではあるのですが、中身に違いがあるため、
ワクチンとワクチンの間で接種期間を空けるのですが、空ける日数に違いがあります。
病院によって考え方が異なったりするのですが、一般的に混合ワクチンから狂犬病ワクチンは1ヶ月、狂犬病ワクチンから混合ワクチンは1週間以上空けなければなりません。
狂犬病ワクチンは、皮下に打つのですが、混合ワクチンに比べて痛みを伴います。
特に仔犬で体の小さなワンちゃんは、脂肪が少ないので鳴いてしまう子もいます。
私は打った事はありませんが、接種した事のある獣医さんからお話を聞くと、人でもワクチンがしみて、痛いそうです。
- 手続きや接種について
初めて狂犬病ワクチンを接種したら、最寄りの役所に登録することが義務付けられています。
初年度は役所に登録料と鑑札料を支払います。すると、翌年以降から役所からハガキ(DM)が届きます。役所なので、接種した時期に関係なく一斉に送られてきます。
狂犬病ワクチンは、動物病院だけでなく、市町村が4月~6月にかけて開催する集団接種で打ってもらう事も可能です。
最後に・・
日本は役所への登録数も少なく、接種率も低いのが現状です。
なんとなく、狂犬病って今は日本に無いし、室内で生活しているから打たなくても良いのでは?と思っていらっしゃる方もいるでしょう。日本でも狂犬病で苦しめられた歴史があり、それを乗り越えたからこそ今の幸せなワンちゃんたちとの暮らしがあります。
狂犬病に感染した人や犬の動画を私は見た事がありますが、見ていられないくらいとても怖かった記憶があります。
ワンちゃんとの暮らしを守る為にも、やるべきことはたくさんありますね。
なるほどな~と何となく頭の隙に、置いて下されば幸いです。
コラム第12回
【おやつ】
【おやつ】
私たちヒトもおやつは好きですね!私は、ポテトチップスやチョコレート、アイスクリームが大好きです(笑)人にも好みがあるように、ワンちゃんにも好きなおやつの好みがありますよ。
今日は、おやつについてお話したいと思います。
1.どんな風にもらったら嬉しい?
さて、ここで問題です。
ワンちゃん目線で考えた時に、どちらがよりハッピー(嬉しい)でしょうか?
- クッキーを丸々1枚貰う
- 1枚のクッキーを4等分にして、1つずつ4回貰う。
トータルで貰うクッキーの量は①も②も同じですね。
しかし、ワンちゃんのハッピー度数には大きな差が生まれているのです。
正解は、②番!②のあげ方は、①よりも4倍嬉しいのです。
ワンちゃんたちは、1度にたくさんの量を貰うよりも、小まめにたくさん貰える機会があった方がハッピーなんです。
ファミリーナの親子登園日でも、おやつの大きさは小指の爪くらいでも良いですよ~なんて言われた事はありませんか?
特に、小型犬は胃の大きさも小さいので、大きいおやつは飲み込むのも時間がかかりますし、
すぐにお腹いっぱいになってしまったり、カロリーの取り過ぎとなってしまいます。
2.状況によって変えよう
例えば、トレーニングのように一緒に何かをしながら小まめにあげたい時にボーロやクッキー系のおやつは不向きです。なぜなら、割った時にカスがたくさん落ちてしまい、ワンちゃんたちの集中力が床にいってしまうこともしばしばあります。
また、口の中の水分も取られてしまうので、喉が渇きやすいですね。
日々の生活の中で、トイレなど良くできたねと1つあげるという事であれば、ボーロやクッキーでも良いでしょう。
お散歩の時は、周りに魅力的な刺激がたくさんありますので、室内で普段使用しているおやつよりも魅力的でワンちゃんが好きなものを選んであげるのも良いですよ。
おやつは、日々当たり前のようにもらっていれば、価値も下がっていきます。
何種類ものおやつを工夫して使う事でおやつとしての価値が維持出来たり、より魅力的なツールとして活用する事も出来るでしょう。
3.ランキングを決めよう
例えばチーズ、鶏肉、レバー、クッキー等、いくつかおやつを準備してもらい、並べます。
真っ先に食べたものが、一番好きなものとします。
何度か繰り返し行うことで、明らかに真っ先に食べたもの除外し、再度行います。
これでも1番に食べたものを見ていき、ワンちゃんの好きなおやつランキングを決めると、
頑張ってくれた、協力してくれた事への報酬として上位のものを活用できますね。
同じササミ系のおやつでも、乾燥タイプ、ボイルしたものなど状態での好みや、
同じクッキーでも柔らかめ、硬めなど好みが分かれる可能性も!
何でもモリモリ食べる子も、ランキング付けしてみることで、より難しいトリックに挑戦したり、
お手入れの時はコレ、お散歩の時はコレとコレと、おやつ選びも楽しい時間になりますね。
おやつは何をあげているかにもよりますが、あくまでも、総合栄養食ではない為、栄養価に偏りがあります。体重や体型に気を付けながら取り過ぎには十分注意してあげましょう。
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コラム第11回
【投薬実践編②】
~内服投薬編~
今回は主に内服についてのポイントをお伝えしていきます。
ごはんや大好きなおやつと一緒に飲んでくれたら良いのですが、具合が悪く食欲が無かったりする場合は、薬だけで飲ませなくてはならない状況もありますので、投薬のポイントを知っておくと良いですよ。
内服薬の種類には、錠剤・粉・液体などがあります。
1.錠剤
ごはんと一緒にあげようとしても、錠剤だけ選んで飲んでくれなかったり、吐き出す子もいます。
投薬のポイントは、錠剤を出来る限り喉の奥に置く(入れる)ようにし、口を閉じたら喉をさすって
ゴクンと飲み込むまで待ちましょう。
手前に置いてしまうと、クチャクチャと舌を動かして、吐き出そうとしてしまいます。
「口を触らせてくれること」「口を開けさせてくれること」が必要ですから、
ようちえんでやった練習を思い出して、口を開けられたら美味しいおやつをあげ、口を開けることに
対して抵抗ないようにしておきましょう。
2.粉・液体
粉や液体で処方された場合は、元々錠剤だったものを砕いて粉や液体にしている場合もあり、
モノによっては、苦みを伴うものもあります。
投薬方法としては、歯茎に塗る方法と針無しの注射シリンジを使う方法があります。
粉で処方された薬を歯茎に塗る場合は、甘いはちみつなどを使ってペーストにしたものを、
歯茎に塗りペロペロ舐めてもらいます。
唇をめくってなるべく奥歯の歯茎に塗るようにすると良いでしょう。
液体にする場合は、針の付いていない注射シリンジにブドウ糖や水で溶かした粉薬を口の脇から
入れて飲ませる方法です。口の脇から、ゆっくり飲ませると吐き出しにくいです。
事前に練習する場合、指に甘いペースト状のおやつを塗って歯茎を触る練習や、シリンジにお水を
入れて飲ませる事は自宅でもやれそうですね。練習の際は協力してくれた事に対するお礼として
おやつやワンちゃんの大好きなことを提供してあげましょう。
最後に、お手入れや投薬は、苦手な子ほど暴れる時間も長くなってしまい、飼い主様おひとりでやる事が難しく、ワンちゃん自身の負担も増えます。
おやつをあげながら2人で協力しながら行うなど、出来る限りスムーズに短時間で終わらせることもポイントです。
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コラム第10回
【投薬実践編①】
~目薬・耳掃除(点耳薬)編~
投薬やお手入れは、動物病院から処方され、いざやらなければならない状況になった時に、
毎日行う事が多く、ワンちゃんも痛みや痒みなどの理由から嫌いになりやすいものになります。
実際に行う前の心の貯金は、ようちんえんで教わっている条件付けでコツコツ練習して
頂けたらと思います。
今回は、実際に行う際のポイントを私なりにまとめてみましたので、お役に立てると嬉しいです。
- 目薬
2つのやり方をお伝えします。
その1)利き手に目薬を持ち、反対の手の平でワンちゃんの顎を支えます。
※顎が下がってしまう事で、眼球に目薬を入れにくくなります。
目薬を持った利き手の小指球と呼ばれる小指の付け根から手首あたりまでのややもり上がっている所らへんで、点眼するまぶたを少し上にずらし、目薬自体がワンちゃんになるべく見えないようにして入れるのがポイントです。目に近すぎると危ない子はおでこに近いところでもOKです。
その2)ワンちゃんの後ろ側から目薬を行う方法です。
嫌がって後ずさり出来ないようにバックハグのような姿勢になり、ワンちゃんにはお座りしてもらいます。1のように利き手に目薬を持ち、反対の手で後ろから顎が下がらないように支えましょう。あとはその1と同じように入れてもらうのですが、おでこ辺りに利き手を固定する感じで入れても良いですよ。目の大きさによってはまぶたを持ち上げる事をしなくても入ります。
- 耳掃除(点耳薬)
外耳炎などの病気になっていなければ、そもそも毎日お掃除する場所ではありません。
ご自宅で耳掃除を行う場合は、やり過ぎない事がポイントです。
耳の中は薄い粘膜ですから、刺激し過ぎたり、やりすぎる事で、耳を触らせてくれなくなる
なんて事もあります。
定期的なケアは80~90%キレイをキープするイメージで良いでしょう。
気を付けるのは、耳の毛が生えている犬種です。毛が生えた状態でお掃除しても通気性も悪く
外耳炎になりやすくなりますから、病院やサロンで抜いてもらうようにしましょう。
ご自宅で耳掃除する場合は、コットンにたっぷり洗浄液を湿らせて人差し指が届く範囲で、ふき取りましょう。指の爪で耳を傷つけないように注意して、指のはらでふき取るよう意識してみて下さいね。綿棒を使用する時は、耳道の奥に綿棒を入れないで下さい。
耳の折れ目など見える範囲の指では取れにくいところをキレイにするために使用しましょう。
洗浄液をたっぷり使用している為、掃除の際に奥に入った水分を出す為に、ワンちゃんに耳を
振ってもらいましょう。最後に表面に出てきた汚れもふき取って終わりです。
※綿棒は奥の汚れを取るつもりで、耳の中に入れることで、逆に汚れを奥に押し込んでしまう事があります。ですから自宅では、自然に浮いてきた汚れをふき取る事が通常のお掃除となります。
外耳炎等で点耳薬を使う時は、病院で一旦奥の汚れをある程度キレイにしてくれますのでプロに任せましょう。病院でお耳を洗う際は、洗浄液を耳の中に入れ、汚れを浮きだたせるように耳の根本辺りをクチュクチュとマッサージするようにし、浮き出てきた汚れをふき取ります。
ある程度拭き取れたら、耳の中の水分を出してもらう為に、ワンちゃんに首を振らせます。
振らせたらまた、汚れをふき取ります。
点耳薬を入れるポイント
耳道の奥にお薬を入れて原因菌などを殺したいので、点耳薬を入れる際は、ワンちゃんの顔が上に向かないようにします。点耳薬も出来る限りワンちゃんが見えないように入れてあげられると
良いですね。入れたら耳の根本を薬が奥まで届くようにマッサージしましょう。
耳たぶの内側は炎症があれば、塗る場合もあります。薬が出てくる部分を耳(汚れ)に付けないように、少し浮かせてお薬を入れましょう。
目薬や点耳薬は、その前の「捕まること」「抑えられること」「顔を触られたり、固定されること」が苦手で嫌がる子もいます。日々こういったことを大好きなごはんやおやつで練習しておけると良いですね。
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コラム第9回
【お家で健康チェックをしよう!④】
~おしっこ・うんち編~
ワンちゃんの日々のおしっこやうんちの回数や状態をチェックしていますか?
正常な状態を知り、月齢などによって変化していく回数なども把握しておくことは健康管理をする上でとても大切です。
★おしっこ★
おしっこの色や回数、量をチェックしましょう。
飲水量でも多少は変わりますが、健康なワンちゃんのおしっこは透き通った黄色をしています。
ペットシーツでおしっこをさせる事は、状態を把握出来、病気のサインを発見しやすいです。
ガマンしていた子のおしっこはすこし濁っていたりもします。
おしっこに血が混じる、トイレに何度も行くのにおしっこが出ない、おしっこをするときに痛がる、おしっこがキラキラ光っているように見えるなどの症状があった場合は、膀胱炎や尿道炎・尿路結石症などの可能性がある為、診察をおすすめ致します。
マーキングなど精神的な面が行動に出る場合もありますが、まずは健康を疑い、手遅れになることを防ぎましょう。
状況にもよりますが、病院へ確認し、新鮮なその日のおしっこが取れそうなら持参し病院へ行きましょう。採尿ツールは病院で頂ける場合もあります。
また、お水もよく飲み、おしっこもたくさん出す場合は腎臓疾患の可能性も考えられ、様々な要因から排尿に異常が生じるという事を覚えておいて下さい。
おしっこの異常は、場合によっては緊急性の場合もあるので、早めに病院へ行きましょう。
★うんち★
正常なうんちは、うんちの中に含まれる水分量が70%の状態のことを指します。
80%を超えると下痢となり、90%以上になると水下痢と言います。
人間同様便秘にもなりますし、食べているもので便の状態は変わりますから、普段からうんちの色・硬さ・回数などをチェックしておき、正常の状態を把握しておきましょう。
下痢をしてしまう原因は、食餌の変更・寄生虫・ウィルス・細菌のバランス、他の臓器の異常での合併症など、たくさん挙げられます。
腸が傷付き血便になることもあるでしょう。
軟便が続いたり、粘膜も一緒に出たり、便意の回数が増えている場合は、要因を知る為にも早めに病院へ連れて行きましょう。軟便から下痢になることも多く、特に仔犬は、体力がありませんので、様子を見過ぎることで体内の水分も下痢で排出してしまいます。更に下痢と共に、吐いたり食欲が落ちたり元気が無くなったりすることもあります。
病院へ行く際は、いつからどんな便をして、元気や食欲・吐き気なども伝えるようにしましょう。
より詳しい検査をしてもらえる場合もありますので、可能なら便を持参すると良いでしょう。
ちょっとした豆知識ですが、日々のワンちゃんの体調管理にお役に立てれば幸いです。
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コラム第8回
【お家で健康チェックをしよう!③】
~体温・呼吸・心拍編~
一般的に健康のバロメーターは、元気・食欲の有無、うんち・おしっこの状態が基本となります。
見た目の変化も大切ですが、今日は気づきにくい部分の正常値や計り方をお伝えしますね。
より早く変化に気づく事で、すぐに病院に相談したり対応が出来るので、ワンちゃんの体の正常な状態を普段から把握しておくことが大切です。
ワンちゃんの体を実際に触って確認してみて下さいね。
★体温★
ワンちゃんの平熱は38.4~38.7℃です。ただし、37.5~39℃前後であれば、正常値の範囲内となります。仔犬のうちは、やや高めの体温が平熱です。
体温は、肛門から直腸温を計ります。人用でも代用出来ますが、ペット用の体温計やカバーは販売されていますので、1つ持っておくと便利ですよ。また、感覚でも皮膚の薄い場所を触っておくことで、いつもよりも冷たくなっている、熱い気がするなど把握出来ます。
★呼吸数★
健康な成犬の呼吸数は、1分間に10~30回の間ですが、夏の暑い時期や運動後は100以上となります。呼吸数は、ワンちゃんがリラックスしている時に、胸の上下に動く回数を計ります、上下で1回としましょう。 ゆっくり胸に手を当てても良いですし、見た目で測っても構いません。
10秒×6回、もしくは15秒×4回すると良いでしょう。
★脈拍★
正常値は、1分間に65~150回ですが、大型犬より小型犬の方が脈拍は速いなど、年齢・体格・犬種などでも個体差があります。計り方としては、毛が薄い場所が測りやすい為、内股にある股動脈に3本の指(人指し・中・薬)を少し押し当てて計ります。脈は、同じリズムで打っていますよ。呼吸数と同様に10秒、15秒計り1分で何回になるか掛け算しましょう。
生まれてから死ぬまでに打つ心拍数の数は、どんな動物でもほぼ等しく約15億回と言われています。つまり心臓の動きが早い動物ほど短命だということです。
小さな変化に気づけるように“触られ慣れ”や日々のコミュニケーションの中でやってみて下さい。
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コラム第7回
【お家で健康チェックをしよう!②】
~耳・皮膚・全身編~
こんにちは。今日もお家で出来る健康チェックをお伝えしますね。
私も自身の健康の為、最近は毎日ストレッチや趣味だったダンスをしています。
これを機に、身体のバランスを見直してみようと思っていますよ。
★耳★
耳の中を見てみましょう。耳垢は溜まっていませんか?耳垢が溜まっていた場合、色や匂いも嗅いでみましょう。
色が茶褐色で、匂いを嗅いでみた時にすっぱい匂いがした場合は、マラセチアという酵母菌
(カビの一種)が繁殖している可能性があります。元々は常在菌なのですが、自己免疫が低下する
と繁殖しやすいとも言われています。耳の中の環境が悪ければ繁殖しますので、治療が必要です。
黄色い耳垢の場合は細菌、黒い耳垢の場合は耳疥癬(ダニ)の感染の可能性があります。
悪化してしまうと、痛みや痒みから掃除や治療をさせてくれない子もいますので、
早めの対応が大切です。
垂れ耳・耳の中に毛が生えている犬種は耳道の通気が悪い為、外耳炎になりやすいのです。
脂漏体質のワンちゃんも耳が汚れやすい子もいるでしょう。
感染性の汚れの場合は、耳を掃除してもすぐに耳垢が溜まってしまいます。
炎症から痒みも伴うため、耳をかいてしまい爪で耳を傷付けてしまうことがあります。
放置すると重度化し耳血腫という耳に血が溜まってしまう病気になることもあります。
耳を振ったり、気にする症状があれば、見た目上問題無くても耳の奥で炎症が起きている場合もありますので、診察をおすすめします。
病院へ連れていく前に、耳掃除をしてしまうと、検査に引っかからないことがあるので、掃除はせずに病院へ行きましょう。
★皮膚★
首根っこの部分を垂直に摘んでみましょう。これは脱水の有無を確認しています。
手を離してからすぐに戻れば、正常です。しかし、戻りが遅い場合は脱水しているという事が分かります。嘔吐が続いたり、食欲が無くお水も飲んでいない状態までいくと、体内の水分が無くなる為、皮膚に張りがなくなり、摘まむ事で張りがないことを確認しているのです。
熱中症などでも脱水するので、日々の正常な状態を知っておく事が大切です。
次に毛をかきわけて皮膚の色を見てみましょう。炎症・湿疹・フケ・脱毛・しこりはありませんか?ノミやダニは付いていませんか?
皮膚のトラブルは、アレルギーや外部寄生虫など多くの原因が考えられますが、偏った食餌も皮膚や被毛の異常に繋がります。摂取した栄養素の30%が健康な皮膚を維持する為に利用されています。
痒みや脱毛、湿疹など見つけた場合は酷くなる前に病院へ行きましょう。酷くなってしまった皮膚の回復はターンオーバーが関わるので時間がかかります。ワンちゃんのターンオーバーは3週間です。また、急に皮膚炎が起きたり腫れたりした場合は、急性のアレルギー症状の場合もありますので、すぐに病院へ連絡し相談して下さいね。
★全身のバランス★
病院でも獣医への相談として、「うちの子は太っていますか?」と聞かれる事がありますが、ワンちゃんの体型や肉付きのバランスを見る目安にボディー・コンディション・スコアというものがあります。体を実際に触ってみて、体型や肉付きから肥満度を5段階で評価する方法で、ろっ骨と腰回り、真上と横からの見た目と触った状態でチェックしていきます。
5段階のうち、3が理想とされていますので、今日は理想とされている状態をお伝えします。
・肋骨が脂肪で薄い皮下脂肪で覆われていて、撫でると骨がわかる。
・上から見た腰のくびれはゆるやかで、撫でてみると骨がわかる。
・横から見るとウエストがゆるやかに細くなっている。
難しいなと感じた方は、獣医さんに見てもらうことをおすすめします。
細すぎるのも肥満も健康上よくありません。こういった体型のバランスの管理もパパやママの大切な子育ての役割ですから獣医さんと相談の上、ごはんを増やしたり、ダイエットしたり、運動を増やして筋肉を付けるなどを行いましょう。
最後に・・・
かかりつけの動物病院も新型コロナの感染拡大防止の為に、開院時間の短縮や3密を避ける為の対策を取っている事でしょう。持病を持っている子は特にかかりつけの動物病院がどうなっているか、HPや電話で事前に調べておくことをおすすめします。何かあった時にすぐに対応してもらえない!なんて事が起きないように把握しておきましょう。
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コラム第6回
【お家で健康チェックをしよう!①】
~目・口編~
皆さんいかがお過ごしですか?
今回から異常や疾病を早期に気づけるようにチェックしていきましょう。
一緒にコミュニケーションを取る時間の中で、慣れると2~3分で出来るのでやってみて下さいね。
★目★
ワンちゃんの目をあっかんベーしてみましょう。何色でしょうか?
正常な時は、粘膜はピンク色をしていますが、貧血を起こしているワンちゃんは、血流が悪い為、真っ白になります。
また、眼球の白い部分が赤く、充血していませんか?
目が傷ついてしまった場合などは、結膜が炎症を起こしたり、充血したりします。
目を気にしてかいてしまうと余計に傷つけてしまうこともありますので、エリザベスカラーなど、目を触れないようにした上で、病院へ連絡し早めに対処してあげると良いでしょう。
また、年齢を重ねると眼球(中心)が白濁してきたり、緑内障といった病気も起こります。
目薬を処方されたりしますので、目薬を嫌がらずにやらせてくれるよう協力してもらえるように今のうちから練習しておくと良いですね。
★口★
ワンちゃんの口の中の粘膜の色(歯茎)を見てみましょう。
正常時の粘膜色はピンク色です。また、歯肉を指で軽く押し、放します。押した部分が白くなり、2秒以内に色がピンク色に戻れば正常です。
戻るのに2秒以上かかると、貧血や、血液の喪失を表しています。
また、舌の色を見てみましょう。舌の色も正常時はピンク色をしていますね。
呼吸不全や気道の閉塞があると、うっ血状態(無酸素状態)となり舌の色が青く(チアノーゼ)なります。
異物を喉に詰まらせたり、首が絞まってしまった状態になるとチアノーゼを起こし、死に至る危険な場合もあります。
次に歯と歯茎の色や状態を見てみましょう。永久歯が生えているにも関わらず、乳歯が抜けずに残ってしまうことを乳歯遺残と言います。本来は生え変わり抜けるはずですが、抜けずに残ってしまう子が多く居ます。放置しておくとで歯と歯の隙間が無い為、歯垢が溜まりやすく、歯肉炎や歯周病を起こします。ワンちゃんは虫歯にはなりにくく、歯石になりやすい口腔環境です。歯垢は、食べかすと細菌のかたまりなので、炎症を引き起こす原因と考えられています。
歯肉が腫れて出血しやすくなり、歯と歯肉の間の溝が深くなって、細菌が増殖すると歯の根っこに炎症を起こし、化膿すると皮膚を突き破って膿が出てきてしまいます。
歯肉炎になると歯茎は赤く腫れ、痛みを伴えば歯磨きやお口を触る事を嫌がるようになったり、口の痛みから食欲が落ちる子もいます。
お口を触れるようにしておくことは、健康管理の為にとても大切ですから、日々おやつや大好きなごはんを使って触れる子にしておきましょう。
いかがでしたか?投薬方法のポイントはまた別の機会にお伝えしますね!
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コラム第5回
【年齢との関わり方】
1.心と身体の成長スピードについて
入園される際にお話したことがある内容ですが、ワンちゃんたちは1歳半~2歳で心や身体が大人になってくると言われています。
ワンちゃんの身体の大きさによっても違いがあり、小型犬よりも大型犬の方が寿命も短く、心も身体も大人になるのがゆっくりです。
ワンちゃんの1歳は人間で表すと16~18歳程度、1歳半で20歳前後、1歳を超えると1年につき4歳程度プラスして数えていきます。ですから、最初の1年目で一気に成長していくのです。
2.経験と学習の積み重ねが影響する
ワンちゃんの社会化トレーニングを含む、しつけは1歳半から2歳くらいまでは、手を抜かずにコツコツ頑張って行うと、その後のワンちゃんとの生活が過ごしやすくなると言われる事が多いです。
スタッフもよくお伝えしていることと思いますが、犬は私たちの意図とは関係なく日々学習をしていますので、管理が大切ですね。
幼い頃に経験させる社会化、思春期に学ぶべきマナー、小さな頃から積み重ねた経験と学習の結果が今のワンちゃんの日々の習慣として行動に出ますから、飼い主様にとって望ましい行動をたくさん伝え、望ましくない行動の発現を抑えることが、困ってから行動を変えようとする苦難を回避できるでしょう。
7ヵ月頃から1歳過ぎくらいまで、思春期に入ります。
一緒に住み始め、慣れてきたなと気を緩めがちな時期ですが、警戒心も高くなっている時期でもあり、
困った行動が出やすい時期でもあります。気を抜かずに、根気よく望まし行動を伝え続ける必要がある時期です。大人になっていくという事なので、この時期も楽しみたいですね。
また、2歳超えたらもう何もしなくても大丈夫!という事ではありません。
成長過程でお友達を選ぶようになったり、落ち着く子もいて、個としての性格形成が出来上がっていきます。仔犬の時とは違い、伝えた事の継続とメンテナンスが大切です。
3.大人になってからは・・
早期から出来るのは、良いことですがワンちゃんに新しいことを教えたりするのに、もう遅いという事はありません。年齢や個性で決めつけないこと。
大人になってからの学習は、今までの経験も関わってきますから時間がかかる事はあるかもしれませんが、性格形成が出来ている為、より良い関係が築けていればスムーズにコミュニケーションが取れ、トレーニングがむしろスムーズに進む場合もあります。
現在はペットも寿命が延びていますね。7歳を超え高齢になれば、また付き合い方も変わるでしょう。
健康管理は今まで以上に重要になり、排泄面や足腰が弱まるなど介護が必要になる子も出てきます。
視力が弱まれば、管理方法もイタズラ防止から、落下、目を傷つけないよう安全管理の為の工夫に切り替わります。
ワンちゃんの健康と安全を見守り、年齢によって変化していく関わり方を楽しんで下さいね。
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コラム第4回
【フィラリア予防について】
春になると動物病院では予防の啓蒙が始まります。春は動物病院の繁忙期です。
その中でも今日はフィラリア症の予防薬について豆知識をお伝えしますね。
フィラリアの予防は都内にお住まいの方でしたら、ほとんどのワンちゃんが予防されている
ことでしょう。
- そもそもフィラリアって??
簡単に説明するとフィラリアというのは、蚊から媒介します。
フィラリアを持っている犬を蚊が刺し、更にその蚊がフィラリアを持っていない犬に刺す事で感染します。ミクロフィラリアという子虫が血液に入り込み、半年くらいかけて成長しながら心臓に移動します。半年で成虫になり、成虫はそうめんのような紐のような形状で心臓や肺動脈に寄生することでイタズラします。イタズラされた心臓は機能が壊れ、他の臓器にも影響を与える怖い感染症なのです。
予防すれば、ほぼ100%予防出来る病気です。
2.いつからスタートするの?
仔犬を迎えると、2回目もしくは3回目のワクチン接種後からスタートします。
この頃(生後半年以内)にスタートすれば、血液検査をせずに飲ませ始める事が出来ることが多いです。
病院によっては、検査を勧める場合もありますので、獣医さんに相談し処方してもらいましょう。
- 予防期間は決まっているの?
以前は、蚊の発生しない冬の間は休薬することが推奨されていました。
しかし、地球温暖化によって日本も暖冬により冬でも蚊が居たりすることがある為、近年では通年での予防を推奨している病院が増えつつあります。
休薬すると再開時に必ず血液検査しなければなりませんが、通年予防するメリットは、予防を切らさずに毎月継続していれば、血液検査の必要がありません。
体重が分かれば、ワンちゃんが一緒でなくても薬だけ貰うことも出来、ワンちゃんへの採血の負担を減らすことも出来ます。
フィラリア予防は、一生続ける予防になります。
- 予防薬には様々な種類がある
薬には食べるタイプ(チュアブル・錠剤)・塗布する液体タイプ・注射タイプがあります。
チュアブルタイプは嗜好性が高くおやつ感覚で食べてくれるので、毎月の楽しみにしてくれる
ワンちゃんもいますね。なかなか食べてくれない子は首の後ろ(舐められない場所)に塗布するタイプの予防薬もあります。多頭ですとお互い舐め合ってしまう場合があるので、乾くまで舐められないように距離を置きましょう。
注射タイプは、飼い主様が投与を忘れてしまう方が利用される事が多いです。(体重が安定していない仔犬は使用出来なかったり、取り扱っていない病院もあるので、詳しくは病院へご相談下さい)
現在では、フィラリア・ノミ・ダニ・内部寄生虫などオールインワンで予防出来る薬もあります。
病気の予防、健康管理もパパ・ママの大切な役割になるので、ワンちゃんに合ったお薬を選んであげたいですね。
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コラム第3回
【夏に備えて対策を!】
「熱中症」と聞くと、夏の暑い時期に長時間外へ行くと、直射日光やアスファルトの反射熱等で熱中症になるとイメージされる方が多いと思います。
しかし、地球温暖化に伴い、現在は気温や湿度の上昇で屋外だけでなく、室内でも熱中症になることが分かっています。お家の中だから大丈夫と思わずに、早期に準備・対策しておくことをおすすめ致します。
実は、日本動物愛護協会が監修のもと、日本気象協会が無料でパンフレットを配布しています。
HPでも掲載されていますので、気になる方は「熱中症ゼロへ」で検索してみて下さいね。
1.室内の環境設定を行う上で気を付けておきたいこと
① 風通しを良くしておきましょう
クーラーを付けていない場合は、必ず風通しの確認をしましょう。
風があまりない日もある為、扇風機を使用するのも良いですね。
② ペットが自由に居場所を選択できるようにしておく
狭いサークルだと難しいかもしれませんので、パーテーション等で行動範囲を制限し安全管理をした上で、アルミ板や保冷マットなど設置し、ワンちゃんが自ら涼しい場所を選べるように工夫しましょう。保冷マットかじる事が予測される子は、アルミ板など破壊できないもので対応して下さい。
③ 暑い時期は室内温度を26度以下に
湿気があると温度は低くても熱中症になりやすいと言われています。
ワンちゃんにとって快適な温度は23~26℃、湿度は40~60℃と言われていますが、湿度が60%超えたりすると温度が26℃くらいでも熱中症になるリスクが伴います。
ご自宅に温度・湿度計を置いておくこともおすすめです。
④ 直接日光が当たらないように居場所を設置する
日向ぼっこが好きな子も居ますが、直接日光が当たってしまう環境で避ける事が自ら出来なければ危険です。
⑤ 飲水場所を増やす
当たり前ではありますが、新鮮なお水がいつでも飲めるようにしておく事が大切です。給水器が外れてしまった、食器を誤ってこぼしてしまい飲めなくなってしまう事が無いように、2カ所設置したり、1つは給水器、1つは食器にするなど、工夫しておきましょう。
最後に・・・
短頭種や幼齢・高齢犬は、熱中症のリスクが上がります、
エアコンを使い、温度や湿度の管理を24時間行うようにしましょう。
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コラム第2回
【犬の声(気持ち)に声を傾けてみよう】
お留守番が長く、仕事から帰ってくると吠える、ごはんの準備をしていると鳴く、
お散歩に行けば知らない人や犬に吠えるなんてことはありませんか?
吠える事はうるさいしイケナイ事、吠えるワンちゃんは悪い子と決めつけたのは、私たち人間です。
本当にイケナイ事、悪い子なのでしょうか?
そう決めつける前に、まずは吠える、鳴く時のワンちゃんたちの気持ちに耳を傾けてみましょう。
世間一般では「無駄吠え」とか「吠え癖」と言った、悪いイメージでの認識があるのが現状です。
しかし、そもそも無駄に吠える犬はいませんし、元々の癖で鳴く子もいないのです。
何らかのきっかけがあり、ワンちゃんたちの気持ちを伝える為に「吠える・鳴く」という手段を使っているのです。吠えはストレスシグナルの1つでもあり、なぜ吠えるのか?なぜ鳴かなければならない状況に居るのか、何に困っているのか、ワンちゃんたちの声(気持ち)に耳を傾け、私たちに何が出来るか、ワンちゃん目線で考えることが、解決する為にも必要です。
吠える以前に、小さなシグナルを出して、伝えてくれる子もいますが、気づいてもらえない場合、シグナルはどんどん大きくなります。吠えた事で伝われば、吠えなければ伝わらないと学習し、第一選択肢として吠える行動を選択するようになるでしょう。
では、どう気持ちに寄り添うか!
まずは、身体的にも栄養的に問題は無いか、日々の生活習慣の見直しを行いましょう。
運動や本能が満たされていない、身体のどこかに不調がある、ストレスを感じている、栄養が足りていない、など。よく食べてよく寝る子に育てることが土台となります。それだけでも吠えるという行動が減る子も多くいます。
その上で、環境を見直しましょう。私たちの存在や行動も環境の1つです。
その場に居ることが不安である、安心出来ないような吠えるきっかけになるモノや人が環境下にある。
吠えることで、不安な対象を避けることが出来た経験が積み重なっている。
闘争を回避するために、鳴く子もいるでしょう。
予測されるきっかけは様々ですが、言葉を話すことが出来ないワンちゃんたちの気持ちを汲み取るスキルを身に着ける事が一緒に生活する上では必要です。その上でパパとしてママとして出来ることは何でしょうか。
1頭1頭みんな環境も違いますし、得意なこと、苦手なことも違います。完璧な子はいません。
パパやママの行動が影響している事も多く、まずは皆さんご自身の行動改善が、ワンちゃんの行動に大きく影響することを忘れず、子育てを楽しみながら向き合っていきましょう。
その小さなお手伝いが出来ることを、私たちはとても嬉しく思っています。
一緒に考えましょう!
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コラム第1回
【お家でいたずら増えてませんか?】
ファミリーナガーデン 会員様へ コラム
こんにちは、ドッグトレーナー小松昭貴子です。
ご自宅でワンちゃんと過ごす時間が増えている方も多くいらっしゃるかと思います。
懐かしい内容だなと感じる方もいらっしゃるかと思いますが、ちょっとした豆知識をお伝えしていきますね。
動物看護師経験も活かした内容も書けたらと思っていますので、お読み頂き少しでもお役に立てたら幸いです。
【お家でイタズラが増えていませんか?】
ワンちゃんを迎えると、様々なモノを咥え、かじる事がありますね。
特に、仔犬の好奇心旺盛な時期に、自宅の身の回りにあるものをかじることが多いでしょう。
私たちから見れば、「イタズラされた!悪い子ね!」と思ってしまいますが、
ワンちゃん目線で考えると、決してイタズラしようと思ってかじっている子はいません。
わざと『これはママの大事な靴だからイタズラしちゃえ』なんて思っていないのです。
叱って、咥えたものを取り上げていると誤飲・誤食するようになってしまいます。
取り上げることで、守るようになるだけでなく、更に急いで飲み込むようになります。
看護師時代には、人用の薬を飲み中毒、金属を飲み内視鏡、ボール丸飲みし胃切開、電気コードで感電、ぬいぐるみの綿を大量に飲み腸に詰まり手術なんて事がありました。
ワンちゃんは「これは何だろう?」と咥えたり、咬む事で確認する生き物です。
脳の発達や本能を満たす為にも咬むという欲求は満たしてあげる必要があります。
では、どう対応したら良いのでしょうか?
1.イタズラ出来ない環境を整えること。
※イタズラ=飼い主の望まないモノを咥えたりかじる行動
咥えちゃってから、破壊し始めてからどうにかするのでなく、望ましくない行動は経験させない管理が大切です。咥えて欲しくないモノは、届く所に絶対に置かない。
例えば、ゴミ箱をあさらないように蓋を付けたり、配置を変える。
靴やスリッパは靴箱の中にしまう。
2.別のもので満たす!
咥えることやかじること、噛むなどエネルギーの発散が出来るもの提供しましょう。
そして、ワンちゃんの年齢・犬種や個性に合わせてしっかりとお散歩や運動させる事も大切です。
代表的なものは、知育トイですね、様々な種類のものを用意してお仕事をあげたり、おもちゃ遊びで本能を満たしてあげるのも良いでしょう。やることがたくさんあれば、他のモノに気を取られる暇もないですね!
3.ちょうだいを教えておこう
きちんと環境を整え、予防をしたうえで、室内でのふるまいやルールを伝えましょう。
咥えたものを出すことを教えておけば、万が一咥えて欲しくなかったものでも、ちゃんと返してくれますね。
親子登園のレッスンでも「ちょうだい(交換子)」の練習方法はお伝えしていますので、
最後に……
有り余ったエネルギーがイラズラだけでなく、吠えや他の室内での困った行動を引き起こすきっかけになりかねません。
望ましくない行動をやめさせる事だけに目を向けるのではなく、何に困っているのか、代わりに何をしてあげられるかを考え、満たせる状況を意図的に作ることが大切です。
【「パブロフの犬の原理」を知っておこう!】
鳴海先生の基礎講座でも簡単にお伝えしている原理ですが、この原理は生活の中で良い面も悪い面でも、意図していなかったとしても機能してしまうワンちゃんの学習の原理ですので、復習も兼ねて再度お伝えしたいと思います。
1.ノーベル生理学・医学賞
パブロフの犬の原理とは、イワン・パブロフさんというロシアの生理学者が発見しました。
パブロフさんは、元々動物の反射の働きに興味を持って、犬が唾液を分泌する反射を研究していた方なんです。
実験装置の前で空腹のワンちゃんに食べ物を見せると唾液を自然に分泌していたそうなんですが、
食べ物を見せる為に犬を実験装置のある部屋へ連れてくるとすぐに唾液を出すようになったり、
いつも食べ物をくれる研究助手の方が研修室へ入ってくると、更に激しく唾液を垂れ流した事から、
犬が部屋や人と食べ物を見た経験とを結びつけて、食べ物と同じ反応をしている!という事に気づき驚いたそうです。
そこで、更に実験を進め、音やモノ、視覚的に目に見えるもの、接触などの刺激でも実験を行うことにしました。最初の段階ではどの刺激も唾液の分泌を引き起こさなかったのに、食べ物の呈示を必ず行うようにしたら、そのうち刺激だけで大量の唾液分泌を促すようになったり、更には刺激の元に舌なめずりをしながら近寄ってくる事もあったそうです。
この発見を「パブロフの犬の原理」と言います。
ワンちゃんたちにとって何の意味のない刺激も、ごはんやおやつを直後にあげるとその刺激自体がごはんを喜ぶ犬と同じように刺激そのものを喜ぶようになるという事なんです。
2.日々の生活で原理は発生している
この「パブロフの犬の原理」を応用してレッスンでは別名「古典的条件付け」と言って様々な刺激に対するワンちゃんたちの反応をより良い反応にしていくツールとして使っています。
例えば「褒め言葉」は元々ただの音であり、意味を持ちませんが、褒め言葉の後にごはんやおやつをもらう事で、褒め言葉自体の印象が食べ物と同じくらい良い印象になる訳です。
また、悪い例としてはチャイムの後に知らない人郵便屋さんや苦手な人が来れば、チャイムの音自体の印象も悪くなる為、チャイムに吠えるようになる子も多いですね。よくある困った行動の1つですが、意図してなくても条件付けは日々の生活の中でされてしまうものなのです。
ようちえんでは、チャイムの後にごはんをあげる練習をしていたのを覚えていますか?
親子登園日では、「触られ慣れ」や「音慣れ」でよく利用していますが、苦手になりやすい刺激ほど、たくさんやっておき心の貯金をしましょう。日々のワンちゃんとのコミュニケーションでとても役立ちますよ。
【大切なお名前を大好きにしておこう!】
ワンちゃんを迎え入れるとまずお名前を決めますね!
一生呼ぶ言葉になりますから名前の印象ってすごく大切です。
一般的にワンちゃんの名前を呼んでから、おいで~とかお座りなどの合図を伝え、行動してもらいますね。
名前を呼んだ時に、ワンちゃんが「なーに?」とパパやママを意識してくれると、その後の合図も伝わりやすくなります。
なかなか名前を呼んでも意識してくれない、夢中になっている時、何度呼んでもダメ、なんて事はありませんか?
そうなってしまっているワンちゃんには、理由があるはずです。
今日は、名前でやってしまいがちなパパ・ママの行動を2つ挙げてみました。
① 名前でワンちゃんを叱ってしまう
名前で叱ってしまう事で、名前の音自体の印象が悪くなり、呼ばれた時になーに?♡とはなりませんね。
例えば、私たち人も怖い上司に名前を呼ばれたらドキッとしたりしませんか?
逆に、いつも優しくしてくれる好きな人に名前を呼ばれたら嬉しいですよね!
② 用もなくただ名前を呼んだり、繰り返し何度も連呼してしまう。
ワンちゃんにとって特に良いことも起きずに、その音がただただ流れている状態ではBGM化して、
わざわざ名前に反応しなくなってしまいます。
心当たりはありましたか?では、どうするか・・・ポイントは3つ!
1. 名前で叱らないこと。
名前の後に、良い事が起きたり、逆に嫌な印象になる状況が起きると、名前を呼ばれた時にワンちゃん自身が「名前」の合図に対して、行動(反応)することに躊躇するようになります。
2. むやみやたらに名前を呼ばないこと。
無意識に名前を何度も呼んでしまうなんて人もいらっしゃいますよ。
3. 名前の音が聞こえたら、ワンちゃんにとって必ず良い事が起きるようにする。
パブロフの犬の原理を応用して心の貯金をしておきましょう。
※パブロフの犬の原理については〇月〇日のコラムでお話していますよ。
名前を呼んだだけで、尻尾を振ったり、笑顔を見せてくれる子に育てましょう。
【肛門腺を絞っていますか?】
ワンちゃんのお手入れの中で忘れがちな“肛門腺を絞ること”
知ってはいるけど、いつも病院やサロン任せにしていたわ!なんて方も、知識として知っておくと
健康管理の上でも役立ちますよ。
1.肛門腺の構造について
ワンちゃんのお尻には肛門の左右に「肛門嚢」と呼ばれる、匂い袋を持っています。
大型犬であれば、排便と一緒に自分で出すことが出来ると言われ、人が絞らなくても大丈夫な子が多いのですが、小型犬や中型犬は、自分で絞り出す事が出来ないため、定期的に絞ってあげるお手入れが必要になります。
「肛門腺」は名の通り、肛門の両端に腺があり、よく見ると穴があるため見えますが、袋は見えません。指で肛門の横を押すと触感で膨らんでいると分かりますが、最初はなかなか見つけることが難しいですが、慣れてくると溜まっているのが分かります。
肛門嚢から出てくる液体は、排便とは違ったとても臭い匂いがしますので、シャンプー等のお手入れの際に行うのが良いでしょう。
2.頻度や方法は?
肛門腺が溜まったまま放っておくと、肛門嚢が破裂し、手術しなければならない状態になることもあります。
また、ずっと絞らずにいることで、液体が固まってしまい更に出しずらくなる場合もありますよ。
溜まりやすい子もいますので、肛門腺が溜まる前に3~4週間に1回は絞ってあげるようにしましょう。
肛門腺が溜まってくると、違和感を感じてお尻を擦って歩く様子や頻繁にお尻を気にする様子が見られる子もいます。サロンや病院で絞ってもらった後も、数日気にする子もいますが、気にすることでお尻が赤くなっていないかも見てあげましょう。
絞る時のポイントは、ティッシュを使い液体が飛ばないようにし、肛門横の窪みに親指と人差し指を使って、10時・2時の方向に指を入れて絞り上げます。
実際のやり方は、病院やトリマーに見せてもらい、教えてもらってからやってみて下さいね。
最後に・・・
実はワンちゃんを飼い始めたばかりの方は「肛門腺」の存在を知らない方も多く、こういった症状が出てから病院へ行く方も多いです。
肛門腺を絞られる事が苦手な子もいますので、普段からうんち後にお尻を拭いておやつをあげる、お尻や尻尾を触ったり、尻尾を持ち上げておやつをあげたり、肛門辺りを触られる事を気にしないようにしておくことも大切です。
プロに任せる方でもサロンや病院でやってもらう際のワンちゃんへの負担を軽減出来るようにしたいですね。
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【自己紹介】
ワンちゃんの笑顔に癒され、ニヤニヤしてしまうアラフォードッグトレーナー、こまつあきこです!
沖縄在住歴が長く何かと話題にしてしまう程、沖縄の事が大好き!
最近ヨガを始め、いつまでもワンちゃんたちと関われるよう運動しています。
ご自宅でワンちゃんと過ごす時間が増えている方も多くいらっしゃるかと思います。
懐かしい内容だなと感じる方もいらっしゃるかと思いますが、ちょっとした豆知識をお伝えしていきますね。
沖縄で9年間培ってきた動物看護師経験も活かした内容も書けたらと思っていますので、お読み頂き少しでもお役に立てたら幸いです。
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